ゆったりセラピーとは

「ゆったり」とは、心身一如の状態をあらわし、心とからだの調和がとれていることを意味します。健康で生き生きとしている様子を表します。

日本にセンサリーアウェアネスを伝えた、ジュディス・0・ウィーバーは、2014年10月18日に行われた、日本ソマティック心理学協会設立記念フォーラムの特別講演で、「1955年、ニューヨークのニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチという学術機関で、エーリヒ・フロームはシャーロット・セルバーとの共同講演を行い、頭とからだの分離は現代文明の特徴的病理であると話しています。」と述べています。

現代文明の特徴的な傾向、「頭とからだの分離」とは、全身を使って感じ取ることができる感覚、例えば、動き、バランス、重さ、方向性、筋肉、強さ、弱さ、骨格、そして、そうした感覚全体の統合感を失うことを意味します。本来、私達は、生まれながらにして、自分自身を一つの統合された存在と認識し、自らの内的な欲求に気付き、それに自然に応え、反応する能力を備えています。そうでなければ、からだはつながりのないバラバラの部品の集まりのようであり、自ら、ハイハイをし、立ち上がり、そして歩くというような発達は、起こりません。学ぶ、ということは、この全身を使って感じ取る事ができる感覚を通して成就します。

ゆったりセラピーとは、そうした本来生まれながらにして誰でも備わっている能力でありながら、現代社会の環境の中で失いがちな「心身」の自然な能力を「触れること・触れられること」を通して取り戻し、「ゆったり」感、心とからだの統合感、内的な充足感といった”豊かさ”を共有していく試みです。